のっちゃんの攻城手記−丸岡城


第六回目は「丸岡城」を紹介します。

丸岡城は福井県の坂井市にあり、北陸自動車道丸岡ICの近くにあります。
現在お城は公園として整備されており、約400本のソメイヨシノが植えられ、 日本のさくら名所100選に認定されています。
4月に北陸自動車道を走ると、桜色で染まった丸岡城を眺めることが出来ます。

丸岡城の天守閣は、全国で現存する12基の天守閣の中でもっとも古く、 (この件については諸説あり、岐阜県の犬山城がもっとも古いとする説も有ります。) 屋根の瓦が全て石の瓦で葺かれている珍しいお城です。
残念ながら、天守閣以外の遺構はほとんど残っておらず、堀も埋め立てられてしまっています。
正直、天守閣も小振りで、他の有名なお城と比べると多少見劣りがするかもしれません。
しかし、江戸時代に築城された権威の象徴のためのお城と違い、戦国時代のまさに戦うために作られたお城 を体感することが出来ます。

また、毎年4月の桜の開花時期には、丸岡桜祭りが開催されお花見客で混雑しますので、 お城をゆっくり味わいたい方は避けた方がよろしいと思います。


【丸岡城紹介】
丸岡城は福井平野の北に位置し、近くには北国街道(今の国道8号線)が通る交通の要所に有ります。
築城は、翌天正4年(1576年)柴田勝家の甥である柴田勝豊によって築城されました。
当時、織田信長は越前の一向一揆を平定した恩賞として柴田勝家に越前一国を与ます。
越前に入国した勝家は、一向一揆の拠点であった豊原(丸岡の東方約4キロの山中)に 柴田勝豊を分封して豊原城主としました。
柴田勝豊は一旦豊原に入城するも、山城に不便を感じ、翌天正4年(1576)要 衝の地である丸岡に移り、丸岡城を築城しました。

その後、柴田勝豊は近江長浜城主なって移ったあとも、めまぐるしく城主が替わります。
元禄8年(1695)本多氏に替わって越後糸魚川より有馬清純が5万石で入封し 以後、有馬氏が8代続いて明治維新を迎える事となります。
明治4年の廃藩置県にともない、丸岡城も他のお城と同様に解体の危機陥ります。
天守閣だけは明治34年に丸岡町の所有となったものの、その他の建造物は取り壊され、 お堀も埋め立てられてしまいました。

天守台の石垣は、「野面積み」という戦国時代の古い方式で築かれています。
この石垣は、見た目は多少不格好で無骨な印象を受けますが、隙間が多いためか排水が良く大雨でも崩れる心配が無いそうです。
まさしく戦国時代の実質本意をかいま見ることが出来ます。


【攻城手記】
北陸自動車道を走るたびにチラッチラッと見え隠れする丸岡城。
桜の名所とは聞いていたのだけれども、さすがにその時期は混雑しているだろうと思い、 訪問の時期をずらしました。

北陸自動車道を丸岡ICで降り、国道8号線方面に向かうとすぐにお城が見えてきます。
お城の前には大きな駐車場があり、車で訪問するにも安心です。

入場料300円(園内の歴史民俗資料館と共通)を払い、いざ登城開始。
このとき、入場券(入城券?)発行機の故障で券が出てこなかったのはご愛嬌。
朝一番から、管理人の方に迷惑かけてしまいましたね(^^)




右側には、歴史民俗資料館と公園が有りますが、ひとまずは先に天守閣を攻めることにする。



つづら折りの道を上るが、ほどなく天守閣下に到着。
写真取る暇もない位簡単に着いてしまいましたね。



天守閣は天守台の上に建っており、その石垣が歴史を感じさせます。
天守閣の入り口は非常に小さく、防御を重視した作りになっています。



別の角度からもう一度天守台の石垣を撮影しました。
正方形に切った石垣もきれいですが、このような石垣も味わいがあってイイですね。
一見、隙間だらけで、危険そうですが野づら積みと言う積み方で、非常に頑丈な積み方だそうです。
古い積み方のまま、近世になっても手が加えられていないところには好感が持てます。



いよいよ天守閣内部に入ります。
外観見た以上に狭く感じますね。
木製のしゃちほこが陳列されていましたが、これも時代を感じさせます。



さて、天守閣の頂上目指して階段を上ります。

が・・・。

出ました。丸岡城名物の急階段!!。
横から見ると、階段の角度が実感して頂けると思います。
体感はほぼ直角ですな。
ロープが一本渡してありますが、正直このロープが無いと上り下りは出来ません。
それでも荷物を持っていると難しいでしょうねぇ。
また、床が磨かれて滑りやすくなってるんですよ。
(スリッパ履きなので恐怖倍増w)
昔の武士は重い甲冑を付けて、腰には長い日本刀を差して、どうやってこの急階段を上ったのでしょうか。
防御のためとは頭では納得するのですが、体は反応出来ません。
ましてや、丸岡城は二層三重の天守閣ですから2回上る事になります(^^;





難渋しながらも、最上階に到達。
最上階は正直あまり広くありません。(畳10畳ぐらいかなぁ)
しかし、展望はすばらしく福井平野と山並みが一望出来ます。





一休みして、上った階段を下ります。(^^)
そう。上ったからには降りなきゃ行けないワケで・・・。
一回だけ滑り落ちそうになったのはナイショです。(^^;

天守閣を後にして、先ほど後回しにした民俗資料館へ向かいます。
歴代の城主の遺品みたいなものが展示されていましたが、正直・・・。
まあ、どこのお城もそうなんだけど・・・。
一枚だけ写真を撮らせて頂いたのは、丸岡城の復元ジオラマです。
これを見ると、堀の幅も広く入り組んでおり、なかなか堅固なお城であった事が分かります。
また、お堀の形が5角形なのも珍しいですね。




【まとめ】
正直、広くもなく見所も余り無いお城だが、それでも戦国時代の風格を備えた天守閣は 一見の価値有り。
よくぞ天守閣を残してくれたと思いながら、次の越前大野城へ向かうのであった。



【メモ】
・交通アクセス
所在地: 福井県坂井郡丸岡町霞
鉄 道: JR北陸本線福井駅から本丸岡方面行 京福バスで約30分
車  : 北陸自動車道丸岡IC〜県道17号線
駐車場: 丸岡城無料駐車場を利用


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Text & Photo by Y.No


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